趣味と恵比寿

ツール・ド・エビス!  E-BIKEで快適に恵比寿のまちをめぐる<前編>

June 20th,2024
新緑の季節、心地よいこの時期、趣味と恵比寿シリーズでは「E-BIKE」にフォーカス。「E-BIKE」は、電動アシスト付き自転車のことですが、街中でゆったりと乗ることを想定されていたママチャリとは異なり、スポーツバイクをベースにしたデザインでスタイリッシュな見た目が特徴です。折りたたみ式などコンパクトなものもあり、乗り心地もパワフル。昨今、都心部でも徐々に自転車レーンが整備されつつあり、電車や車で移動するよりも快適で心地よい移動手段として注目を集めています。 恵比寿の路地裏をゆっくり歩きながら散歩するのも楽しいですが、意外と坂道の多い恵比寿は、自転車でめぐるともっと快適に魅力を感じることができるはず!そんな思いから、恵比寿の自転車屋「L.B GARAGE」さんに、今回特別に「E-BIKE」をお借りして、編集部でぐるっと恵比寿の街をめぐってみました。 前編では、自転車で走ると気持ちいい坂道や、隠れた立ち寄りスポット、恵比寿の歴史的スポットなど、編集部がサイクリングしながら発見した場所をご紹介。後編は「L.B GARAGE」の店長・川口さんにインタビューさせていただき、昨今の「E-BIKE」ブームのきっかけをはじめ、自転車の魅力などを伺います。 都心部に住んでいる方はマイ自転車で、自転車で恵比寿まではちょっと遠い!という方はシェアサイクルで。記事を読んだあとは、自転車で恵比寿のまちをめぐってみてはいかがでしょうか?
Text : Atsumi Mizuno    Photo : Yuka Ikenoya(YUKAI)     Edit & Design : BAUM LTD.
Text : Atsumi Mizuno
Photo : Yuka Ikenoya(YUKAI)
Edit & Design : BAUM LTD.

E-BIKE=電動自転車でアップダウンの多い恵比寿のまちをサイクリング


まず、自転車旅の始まりに今回お借りしたのはこちら!人気の高いパナソニックEZ。コンパクトながら、ワイルド感あふれるデザインの車体とタイヤが特徴で、パワフルなアシストのおかげで走りやすさも抜群の一台です。

身長158cmの私が乗ると、これくらいのサイズ感です。大きすぎず、乗りやすい!

電動アシストの走行距離は、約35km。

マットな黒が、とってもかっこよくてテンションが上がります。


さて、自転車を借りて恵比寿ガーデンプレイスのサッポロ前から、さっそく街めぐりをスタート!

恵比寿ガーデンプレイスには東京都写真美術館や恵比寿ガーデンシネマがあったり、自転車旅で運動したあとにゆっくりアートや映画を楽しむのもいいかも? 早くもそんな妄想をしながら出発です。

走り始めてすぐ、ケーキなどのスイーツや本格的なフレンチで人気のRue Favartさんを横目に、ビールの街灯が目を惹く坂を一気に下ります。気分は爽快!

坂の名前は、その名もビール坂商店会。

下って行く道の途中には、なんともレトロな昔ながらのお弁当屋さんが点在していたので、ここでお弁当を買ってお昼ご飯にしてもいいなーなんて思いながら、今日は惜しくも素通り。そうこうしているうちに、あっという間に広尾へ到着です。

このあたりの自転車店の脇に、シェアサイクルのスポットも発見。シェアサイクルのスポットは都内各地に点在しているので、自分の住まいや出先に近い場所から借りて、たまには自転車移動をしてみるのも新鮮かもしれません。

そんなサイクルスポットを通り過ぎ、春になったら桜が綺麗そうだな〜と楽しみになる桜並木の大通りを抜けると、螺旋状の階段が特徴的な明治通りの交差点が見えてきました。

ここまで一気に走り抜けたので、ここらでちょっとひとやすみ。休憩がてらに立ち寄った恵比寿プライムスクエアは、お昼時になるとキッチンカーが並ぶ広場もあり、緑が豊かで気持ちいい空間です。

恵比寿プライムスクエアの一角にも、シェアサイクルのスポットがありました!

さて、一息ついてまた走り出すと、山種美術館が見えてきました。美術館のカフェでちょっとゆったりするもよし、展覧会を楽しんでから、通り沿いのHarlow Ice Creamに立ち寄って手作りアイスのおやつを食べたり、チーズケーキのBELTZさんでお土産を買うのもよさそう!

山種美術館では、7月まで猫の展覧会もやってますよ〜。

山種美術館を通り過ぎて走っていくと、交差点の中洲のような場所で散策ルート案内を発見!ふむふむ。。

このあたりは、恵比寿駅の周辺とはまた違った、落ち着いた雰囲気の住宅街と緑が広がります。

そこから折り返して走り出すと、郷土博物館と書かれた看板を発見。白根記念渋谷区郷土博物館・文学館は、昭和45年に区立図書館内につくられた郷土資料室が前身なのだとか。渋谷のこれまでを時代ごとに体感できる博物館ゾーンのほか、渋谷ゆかりの国木田独歩や与謝野晶子らの直筆原稿や手紙が展示されている文学ゾーンもあります。

渋谷区のどこに文豪が住んでいたかという住所まで展示されているので、本好き、文豪好きの方はぜひそのマップを頼りにサイクリングするのもおすすめです。

郷土博物館・文学館は、こんなところに?と思うような場所にふいに現れるので、見落とさないように気をつけて。

自転車で街中を走ってみると、なんだろうこれ?と不思議になるようなものを道端で見つけたりします。そんな発見も、自転車ならではの楽しみです。

郷土博物館・科学館のそばには、國學院大学もあり、カフェや博物館は一般の人でも入れます。最近、大河ドラマで話題の源氏物語に関する特別展が開かれていたり(現在は終了しています)と、見応えも抜群なのですが、駐輪場がないので立ち寄る際は要注意です。

ここから、後編に登場していただく「L.B. GARAGE」川口さんおすすめの茶屋坂へ向かう道中、恵比寿駅と渋谷の間にある高架下には、グラフィティアーティスト、バリー・マッギーの鮮やかな壁画が!

恵比寿〜六本木〜渋谷は、国立新美術館、岡本太郎記念館、さまざまな企画展を開催するサントリー美術館、チームラボミュージアムなどのアートスポット、1891年創業の山陽堂書店なども集まるエリアなので、芸術や文化に浸る自転車旅の1日、といった過ごし方もいいかもしれません。

狭い道なので、車に注意しつつもシャッターチャンス!

さらに進んでいくと、映画『パーフェクトデイズ』に登場したおしゃれトイレもあったり。

緑も豊かでとても気持ちいいので、このあたりでひとやすみするのも気持ちよさそうです。

色鮮やかな遊具がかわいい恵比寿公園

さて恵比寿公園を通り過ぎ、一気に車通りの多い場所へ戻ってきました。ころころ変わる街の風景も楽しい!

思った以上にアップダウンの激しい恵比寿の街ですが、アシスト付きの自転車でめぐれば快適!

車通りの多い道を抜け、行き止まり…?と思うような住宅街の小道を行くとたどり着くのが、別所坂。恵比寿から目黒へ抜ける近道なのですが、階段や坂が急勾配なので、この道を抜けるのはなかなかハード!

別所坂はもともと、坂の上から富士山が眺められる眺望の良さも有名だったそうで、今でも、冬から春にかけての空気の澄んだ朝には、富士山が見えることもあるそうです。

そんな別所坂から車通りへ戻り、恵比寿南三丁目の五差路にあるラグジュアリーなマンションの麓に、なにやら歴史を感じる道しるべが。

江戸時代中期の安永8年(1779)に建てられたとされるこちらの道しるべは、目黒方面から江戸へ通じる道の途中、人家も少ないさみしい場所でも迷わないようにとつくられたものなのだそうです。

歴史を感じさせる道しるべとラグジュアリーなマンションの雰囲気がなんともミスマッチですが、大切に保存されているんだなと時の流れを感じさせられます。

さて、そんな道しるべに街の歴史を感じながら、やってきました茶屋坂!上から見下ろしてみると、写真で見る以上に急勾配。真下が見えるような感覚にドキドキします。

スピードに注意しつつ、長い坂を自転車で駆け降りる気分は最高!

坂の名前は、江戸時代にこの坂のそばに茶屋があったことに由来するのだとか。江戸から目黒へ行き来する道のひとつだったこの場所は、富士山の眺めがいいことでも有名で、当時の将軍が鷹狩へ行く度に立ち寄って休んでいたそう。

茶屋で食べたさんまの美味しさが忘れられず、うまいサンマは目黒に限るという落語『目黒のさんま』のもとになったのは、この茶屋のエピソードだともいわれています。

そんな茶屋坂のすぐそば、恵比寿ガーデンプレイスから目黒川へ下るゆるやかな坂道の名前は、新茶屋坂。このあたりに昔はトンネルがあったことを示す「茶屋坂隧道」と書かれた案内板もありました。

時代を感じさせる書体の看板。

恵比寿の街をひとめぐりして、出発地の恵比寿ガーデンプレイスに戻ってきました!最初はお天気が心配でしたが、後半は晴れ、風を切って自転車で走るのがとっても気持ちよい日でした。

最後は、恵比寿ガーデンプレイスの駐輪場に自転車を停めて、「ひらく庭」でも取材させていただいた「Atelier LaLa」さんで腹ごしらえのランチ!駐輪場は2時間まで無料なのも嬉しいところです。

架空の映画の主人公「Lala」のアトリエをイメージした店内は、開放的でとってもおしゃれ。全国60以上の生産者から仕入れた旬の食材を使ったメニューが特徴ですが、農家さんとのお付き合いのなかで生まれた規格外野菜や果物を使ったジャムやジェラートなどの加工品、女性活躍といったダイバーシティへの取り組みなども素敵なお店です。

パスタやクロワッサン、季節のポタージュがとってもおいしかったです!

***

自転車でめぐる恵比寿の旅、いかがでしたか? これまで都内での移動手段といえば電車くらいしか考えていませんでしたが、駅でシェアサイクルを借りるという手もあったのか!という発見があった今回。アシスト付きの自転車であれば、思った以上に坂道も快適だったので、都内で出かけるときは自転車で街をめぐるのもいいなと改めて思いました。スマホひとつで利用できるシェアサイクルは恵比寿駅にもあります。いずれのシェアサイクルも、30分150円前後でした。(✳︎地域によっても異なります)

今回の自転車めぐりの旅は、カメラマンも自転車で頑張ってくれました!しかも愛車は、人気の「E-BIKE」、パナソニックのEZ! 都内であればカメラを背負いながらもどこまでも自転車で行ってしまうのだそう。そういうことがカジュアルにできるのも電動自転車ならではですよね。

後編では、最近流行りの自転車「E-BIKE」の魅力もお届けするのでお楽しみに!
→後編の記事を読む

More